純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

純文学1000本ノック 15/1000 谷崎潤一郎『卍』 繰り返される愛憎の果て

どうも、こんにちは。 コロナ・ウイルスもいよいよ蔓延してきた感じだね。いつかかってもいいように、みんなも日ごろから免疫つけておこうね。 今回は谷崎潤一郎『卍』。初谷崎潤一郎だったけど、その独特の文体といやらしいまでに綿密に描かれた愛憎の動き…

純文学1000本ノック 14/1000 ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』 小児教育の光と闇

どうも、こんにちは。 昨日見た『キャッチミー・イフ・ユー・キャン』に大分感化されましたポカンです。 今回はノーベル文学賞作家のヘルマン・ヘッセ『車輪の下』。いや、描写がとにかく多い。そして、ここがフランスとドイツの差なのか、フランスが力の抜…

純文学1000本ノック 13/1000 J.D.サリンジャー『フラニーとズーイ』 エゴ(社会)への嫌気と解放

どうも、こんにちは。 人生2度目のぎっくり腰をやってしまって眠るのも辛い日々を送ってるよ。 今回は『ライ麦畑でつかまえて』で有名なさリンジャーの『フラニーとズーイ』を読んだよ。こちらももちろん有名な作品ではあるのだけど・・・前作で相当衝撃を受…

純文学1000本ノック 12/1000 フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』 美しい海と恋と青春の残酷さ

どうも、こんにちは。 いやー、天気のいい日が続く中、連日読書読書の毎日だよ。 「晴耕雨読」ならぬ「晴読雨読」 今回はパリジェンヌ、フランソワーズ・サガンの『悲しみよ こんにちは』を読んだよ。いやーーー素敵だね、シニカルな描写も、海の美しい描写…

純文学1000本ノック 11/1000 吉本ばなな『TUGUMI』 美しい海とひねくれ少女の物語

どうも、こんにちは。 ラップトップ用のデスクを買ったけど、グラグラして使いにくいよ。 さて、今回は 吉本ばなな『TUGUMI』。実は吉本ばななさんは1度読んで(たしか不倫に関わる女性の物語だった)、あまりの心理描写の濃さに途中で断念した苦い過去があ…

純文学1000本ノック 10/1000 ヘミングウェイ『老人と海』 ヘミングウェイのたどり着いた極地

どうも、こんにちは。 コロナウィルスが国内感染を続々と増やしているね。みんなも気を付けよう。 今回はヘミングウェイの『老人と海』。実はこの作品は昔一度 読もうとして断念した作品だ。なぜなら最初の漁の準備やら日常の生活ぶりと会話からなる単調な描…

純文学1000本ノック 9/1000 芥川龍之介『地獄変』 芸術と人間

どうも、こんにちは。 遂にコロナウイルスさんが国内で感染確認(中国との関係なく)されたね。実はこれ大分前から起きていた事態で厚労省がパニックにならないように検査を拒否し続けただけだと思う今日この頃。 さて、今回は 芥川龍之介の『地獄変』を読ん…

純文学1000本ノック 8/1000 夏目漱石『坊ちゃん』 勧善懲悪物語とその影

どうも、こんにちは。 昨日はプールでしこたま泳いできたせいで身体中が悲鳴を上げているよ。 さて、今回は日本の文豪 夏目漱石の『坊ちゃん』を読んでみたよ。純粋な娯楽(本作は恐らくそれがメインだが)としても非常に面白く、その裏側の漱石の苦悩を考え…

純文学1000本ノック 7/1000 ジャン・コクトー『恐るべき子供たち』 子供たちの純粋さ故の恐怖

どうも、こんにちは。 寒い日が続いてるのでコロナ・インフル・風邪、お互い体調管理には気をつけようね。 今回は ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』を読んでみたよ。いやあ、ビックリするくらい綺麗で残酷な表現に目から鱗。 1.読後感 僕はこれを2…

純文学1000本ノック 6/1000 石田衣良『娼年』 娼年の心の動きとSEXを軽やかに

どうも、こんにちは。 今回は 石田衣良の『娼年』を読んでみたよ。こちらの作品は純文学ではないという向きも多いだろう(実際直木賞の候補作に入っている)。しかし、純文学に必須な芸術性ともいうべきものはある程度担保されている作品でもある。 1.読後…

純文学1000本ノック 5/1000 カズオ・イシグロ『日の名残り』 本物の執事が見た「品格」

コロナウイルスさん、こんにちは。 順調に感染者を増やしているようで、その怖さとともに家にこもっている僕は「家にこもる」ことの許しが得られるようで複雑な心境だよ。 今回は日系イギリス人(ほぼイギリスで過ごしている為、その呼び方が相応しいのかは…

純文学1000本ノック 4/1000 シェイクスピア『ハムレット』 ハムレットの狂気の中に見出したもの

コロナウイルスさん、こんにちは。 先週から家にこもり出したので僕は読書に精を出しているよ。 今回は純文学?ではないかもしれないけど、今なお世界中の作品で引用される数々の名言を残したシェイクスピアの戯曲『ハムレット』を読んだよ。 僕が作中で気に…

純文学1000本ノック 3/1000 川端康成『雪国』 究極の審美眼を持った島村の悲哀

お久しぶりです、こんにちは。 今回は 川端康成の『雪国』を読んでみたよ。 1.読後感 綺麗な空想の中に自分も入り、そのやるせなさ(徒労)を島村と一緒に感じているみたいだ。島村の「徒労だね」という言葉の通り、終わりの見える情事(妻と子がいる為、…