純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

純文学1000本ノック 59/1000 高橋弘希『指の骨』

どうも、こんにちは。 今回は高橋弘希の『指の骨』です。2014年新潮新人賞を受賞し、2015年同作で芥川賞候補になっています。 1.ざっくりあらすじ 第二次世界大戦中、南方前線のパプアニューギニアへ移送された主人公は、所属部隊が作戦によりほぼ壊滅する…

純文学1000本ノック 58/1000 三国美千子『いかれころ』

どうも、こんにちは。 今回は三国美千子の『いかれころ』です。2018年新潮新人賞を受賞し、2019年同作で三島由紀夫賞も受賞しています。 1.ざっくりあらすじ 四歳の奈々子を主人公とし、未来の奈々子が語り手となって物語は進んでいく。奈々子がうまれた杉…

純文学1000本ノック 57/1000 乗代雄介『十七八より』

どうも、こんにちは。 今回は乗代雄介の『十七八より』2015年群像新人文学賞を受賞した作品です。 1.ざっくりあらすじ 「私」が亡くなった叔母のことを考えて、十七八のころの自分である「少女」を回想していく。少女は保健の授業で性的な発言をしたり、家…

純文学1000本ノック 56/1000 石井遊佳『百年泥』

どうも、こんにちは。 今回は石井遊佳の『百年泥』2017年新潮新人賞を受賞し、2018年芥川賞を受賞した作品です。 1.ざっくりあらすじ インドのチェンマイに住み、IT企業で日本語を教える主人公は、百年に一度の洪水に遭う。洪水が収まりはじめてから、会社…

純文学1000本ノック 55/1000 岡本学『架空列車』

どうも、こんにちは。 今回は岡本学の『架空列車』。2012年群像新人文学賞を受賞した作品です。 1.ざっくりあらすじ 人生に疲れた男が、ひとりで東北の海沿いの街に住み始める。生産的な活動を一切せずに過ごそうとしていた男は退屈に疲れ、無為な活動とし…

純文学1000本ノック 54/1000 波多野陸『鶏が鳴く』

どうも、こんにちは。 今回は波多野陸の『鶏が鳴く』。2013年群像新人文学賞を受賞した作品です。 1.ざっくりあらすじ 高校三年生で受験勉強や恋愛などに悩む杉本伸太は、小中高を共にしたバンドメンバーでもある引きこもりの二階堂健吾への複雑な思いを抱…

純文学1000本ノック 53/1000 横山悠太『吾輩ハ猫ニナル』

どうも、こんにちは。 今回は横山悠太のデビュー作『吾輩ハ猫ニナル』。2014年群像新人文学賞を受賞し、芥川賞候補にもなった作品です。 1.ざっくりあらすじ 中国在住の日本人(おそらく作者)による中国人からみる日本語の難しさ(漢字・ひらがな・カタカ…

純文学1000本ノック 52/1000 崔実(チェ・シル)『ジニのパズル』

どうも、こんにちは。 今回は崔実のデビュー作『ジニのパズル』。2016年群像新人文学賞を受賞し、芥川賞候補にもなった作品です。 1.ざっくりあらすじ 在日朝鮮人として生まれたジニは、小学生まで日本の私立学校に通っていたが、中学生になるときに朝鮮学…

純文学1000本ノック 51/1000 李琴峰『独り舞』

どうも、こんにちは。 今回は李琴峰『独り舞』。2017年群像文学新人賞を受賞した本作。作者は台湾人として生まれ、第二言語の日本語で書かれています。日本人を凌駕するその筆力には素直に脱帽してしまいます。 1.ざっくりあらすじ 台湾生まれのレズビアン…

純文学1000本ノック 50/1000 北条裕子『美しい顔』

どうも、こんにちは。 今回でようやく50回を迎えます。記念すべき50回目は、東日本大震災にあった女子高生を描いた北条裕子の『美しい顔』。2018年群像新人文学賞を受賞し、芥川賞の候補にも選ばれましたが、盗作疑惑などで世間を騒がせた本作。 区切りもい…