純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

純文学1000本ノック 34/1000 谷崎潤一郎『痴人の愛』 女に翻弄される男

どうも、こんにちは。 今回は、谷崎潤一郎の代表作の一つ『痴人の愛』。 1.読後感 ねっとりと濃厚なもやにつつまれたような気分になる。主人公の譲治を馬鹿にしつつも、自分のことを思いハッとさせられる。 2.ザックリあらすじ (1)譲治 田舎から出て…

宮下奈都 『羊と鋼の森』 あらすじ&感想 純文学1000本ノック 33/1000

どうも、こんにちは 今回は、宮下奈都『羊と鋼の森』。 1.読後感 北海道の田舎町が舞台の小説だが、不思議とほっこりする。 2.ザックリあらすじ (1)ピアノとの出会い 何事にも大きな関心を持たない高校生の外村は、学校に来た調律師の板鳥の仕事を見…

カミュ 『ペスト』 ペストという不条理を題材にそれと戦い続ける人間たちを描いた大作 純文学1000本ノック 32/1000

どうも、こんにちは 今回は、アルジェリア生まれのノーベル賞作家カミュの代表作の一つ『ペスト』。正直、この時期だから手に取ったというのが大きな理由だったが、ノックアウトされた。 1.読後感 平和の裏側には、重苦しい人生の不条理さがのたうちまわっ…

ゲーテ 『若きウェルテルの悩み』 時代を越えて私たちに響く心の声 純文学1000本ノック 31/1000

どうも、こんにちは 今回は、ドイツ文学界のレジェンド、ゲーテの代表作の一つ『若きウェルテルの悩み』。 1.読後感読み終わった後、しばらく同じように恋愛や人間関係に苦しんだ若いころの自らの心のうちを眺め、もの思いに耽った。この作品は現代におい…

江國香織 『きらきらひかる』 独特のカタチを持った夫婦とその周囲の物語 純文学1000本ノック 30/1000

どうも、こんにちは 今回は、江國香織の『きらきらひかる』を読んだよ。初江國香織。いい。 1.読後感作品に包まれる優しさと哀しさのバランスが絶妙で、爽快だった。 2.ザックリあらすじ (1)新婚生活 物語は、睦月(むつき)という勤務医の男性と笑子…