純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

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吉本ばなな『アムリタ』 幻想的な日常の物語 純文学1000本ノック 29/1000

どうも、こんにちは 今回は、吉本ばななの人気作『アムリタ』を読んだよ。幻想的で悲劇も喜劇もまぜこぜな不思議な物語だけど、どこか愛おしい雰囲気を持った作品だった。 1.読後感子どもの頃の夏、が持ってるような、甘くて楽しい日々からの、終わりが近…

純文学1000本ノック 9/1000 芥川龍之介『地獄変』 芸術と人間

どうも、こんにちは。 遂にコロナウイルスさんが国内で感染確認(中国との関係なく)されたね。実はこれ大分前から起きていた事態で厚労省がパニックにならないように検査を拒否し続けただけだと思う今日この頃。 さて、今回は 芥川龍之介の『地獄変』を読ん…

純文学1000本ノック 8/1000 夏目漱石『坊ちゃん』 勧善懲悪物語とその影

どうも、こんにちは。 昨日はプールでしこたま泳いできたせいで身体中が悲鳴を上げているよ。 さて、今回は日本の文豪 夏目漱石の『坊ちゃん』を読んでみたよ。純粋な娯楽(本作は恐らくそれがメインだが)としても非常に面白く、その裏側の漱石の苦悩を考え…

純文学1000本ノック 6/1000 石田衣良『娼年』 娼年の心の動きとSEXを軽やかに

どうも、こんにちは。 今回は 石田衣良の『娼年』を読んでみたよ。こちらの作品は純文学ではないという向きも多いだろう(実際直木賞の候補作に入っている)。しかし、純文学に必須な芸術性ともいうべきものはある程度担保されている作品でもある。 1.読後…

純文学1000本ノック 4/1000 シェイクスピア『ハムレット』 ハムレットの狂気の中に見出したもの

コロナウイルスさん、こんにちは。 先週から家にこもり出したので僕は読書に精を出しているよ。 今回は純文学?ではないかもしれないけど、今なお世界中の作品で引用される数々の名言を残したシェイクスピアの戯曲『ハムレット』を読んだよ。 僕が作中で気に…

純文学1000本ノック 3/1000 川端康成『雪国』 究極の審美眼を持った島村の悲哀

お久しぶりです、こんにちは。 今回は 川端康成の『雪国』を読んでみたよ。 1.読後感 綺麗な空想の中に自分も入り、そのやるせなさ(徒労)を島村と一緒に感じているみたいだ。島村の「徒労だね」という言葉の通り、終わりの見える情事(妻と子がいる為、…

純文学1000本ノック 2/1000 カミュ『異邦人』 ムルソーには異邦人たる自覚はあったのか。

どうも、こんにちは。 今回はアルバート・カミュの『異邦人』を読んでみたよ。 1.読後感 ぬるぬるとした感じだね。もちろん最後の解説まで読んだわけだけど、彼はなぜ頑なに「嘘をつくこと」や「演じること」を選ばなかったんだろうという疑問は消えぬまま…

純文学1000本ノック 1/1000 第155回芥川賞を受賞した村田沙耶香『コンビニ人間』 同調圧力と現代

今回は風邪で会社を休んでしまった「貧乏シティボーイ」こと僕が読んだ本を紹介するよ。喉と鼻に来るやつで寝付けなくって辛いんだ。皆も気を付けてね。 ※ネタバレ注意 コンビニ人間 村田沙耶香著 今更ながらこれを読んだよ。風邪でフラフラしているときにテ…