純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

純文学1000本ノック 40/1000 石原慎太郎『処刑の部屋』 ただ行動すること

どうも、こんにちは。 今回は、前回に続き、石原慎太郎の代表作の一つ『処刑の部屋』。『太陽の季節』から変わらず暴力的で救いの無い内容ですが、作中の主人公克己の何をやりたいかなどあれこれ思い悩まずに行動するだけ、という考えの徹底には美しさすら感…

純文学1000本ノック 39/1000 石原慎太郎『太陽の季節』 愛することを知らぬ青年たち

どうも、こんにちは。 今回は、石原慎太郎の堂々たるデビュー作『太陽の季節』。彼はこの作品で芥川賞を受賞しています。そして若者たちに大きな影響を与え、太陽族なるものたちが現れます。 1.読後感 誰も救われない、悲しき青春劇が繰り広げられ、胸の奥…

純文学1000本ノック 38/1000 芥川龍之介『歯車』 死を決意した男の心境

どうも、こんにちは。 今回は、芥川龍之介の晩年の代表作『歯車』。短編ということもありサクサクッと読了しました。 1.読後感 あまりにも有名な最後のただ一文「誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?」。この一文に全ての感情を…

純文学1000本ノック 36/1000 トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』 青年期の村上春樹に自信を無くさせた早熟の天才

どうも、こんにちは。 今回は、トルマーン・カポーティの代表作の一つ『ティファニーで朝食を』。 1.読後感 胸の奥がざわざわとするのと同時に、なしつぶてな爽快感のようなものを感じた。もちろん映画は観ていたわけだけれど、ヒロインであるホリーの描写…

純文学1000本ノック 35/1000 三島由紀夫『仮面の告白』 幼年期から続く主人公の仮面の告白とは

どうも、こんにちは。 今回は、三島由紀夫 の初期代表作の一つ『仮面の告白』。 1.読後感 気味の悪いものが胸いっぱいに広がるようだった。歪んだ爽快感と陶酔の入り混じる奇妙な物語だった。 2.ザックリあらすじ (1)幼少期からの仮面 物語は、題名の…