純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2023-01-01から1年間の記事一覧

純文学1000本ノック 131/1000 本谷有希子『異類婚姻譚』

こんにちは。 今回は2013年に芥川賞を受賞した本谷有希子の『異類婚姻譚』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公のサンちゃんは子無しの専業主婦で、家ではぐうたらした夫と二人で暮らしている。ある日、夫の顔が自分に似てきていることに気づき、奇妙に思う。…

純文学1000本ノック 130/1000 黒田夏子『abサンゴ』

こんにちは。 今回は2013年に芥川賞を受賞した黒田夏子の『abサンゴ』です。 先に謝罪しておきたいですが、一読してみて現在の私にはよくわかりませんでした。 1.ざっくりあらすじ 主人公が自らの幼い少女時代を思い出し、親や周囲の生活環境を感じとりな…

純文学1000本ノック 129/1000 町屋良平『1R1分34秒』

こんにちは。 今回は2019年に芥川賞を受賞した町屋良平の『1R1分34秒』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公は21歳でプロボクサーをしながら、パチンコ店でアルバイトをしている。しかし、デビュー1戦目のTKO勝ち以降、負けが込み、1勝2敗1分という戦績であ…

純文学1000本ノック 128/1000 トルーマン・カポーティ『真夏の航海』

こんにちは。 今回は『ティファニーで朝食を』や『冷血』で有名なアメリカの作家『トルーマン・カポーティ』の初期作品『真夏の航海』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公のグレディは17歳の女性。上流階級の生まれで、理知的な一方、周囲の習わしについてい…

純文学1000本ノック 127/1000 柳美里『JR上野駅公園口』

こんにちは。 今回は芥川賞作家である柳美里の『JR上野駅公園口』です。この作品は全米図書賞を受賞しています。 1.ざっくりあらすじ 主人公はすでに死んでおり、霊体のようなものとして世界を見ている。平成天皇と同じ年に生まれ、故郷の福島から出稼ぎで…

純文学1000本ノック 126/1000 ロブ・グリエ『消しゴム』

こんにちは。 今回はフランス、ヌーヴォーロマンの代表的作家ロブ・グリエの『消しゴム』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公の特別捜査官ヴァラスは、日本でいう公安のような場所に異動になり、最初の仕事として、政府転覆を目論む巨大組織の連続殺人事件で…

純文学1000本ノック 125/1000 川上弘美『蛇を踏む』

こんにちは。 今回は1996年に芥川賞を受賞した川上弘美の『蛇を踏む』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公のサナダヒワ子は、数珠屋のカナカナ堂への出勤途中に蛇を踏んでしまい、その蛇が人間の女の姿に変わり家に居着くようになる。 女は蛇の世界へ来るよ…

純文学1000本ノック 124/1000 村上春樹『1973年のピンボール』

こんにちは。 今回は芥川賞候補になったことのある村上春樹の二作目の長編『1973年のピンボール』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公の僕は、大学を卒業後、翻訳会社を友人と興しそれなりに成功している。変わり映えのない日々のなかで、過去を思い起こし元…

純文学1000本ノック 123/1000 柳美里『家族シネマ』

こんにちは。 今回は1997年に芥川賞を受賞した柳美里の『家族シネマ』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公の素美は会社勤めをしながら、同僚の男と付き合いそこに住んでいる。ある日、映画の撮影隊がその部屋にやってくる。映画は妹洋子の繋がりではじまった…