純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

純文学1000本ノック 24/1000 村上龍『限りなく透明に近いブルー』 非現実的な世界観の中で苦しむ若者たち

どうも、こんにちは。 今回は村上龍のデビュー作『限りなく透明に近いブルー』。どんな作家でもデビュー作は傑作な場合が多いと思うが、この『限りなく透明に近いブルー』は純文学の新人賞「群像新人賞」を獲得後、国内純文学の最高峰である「芥川賞」を受賞…

純文学1000本ノック(番外編) 24/1000 コナン・ドイル『緋色の研究』 シャーロックホームズの誕生と純文学とミステリ

どうも、こんにちは。 今回は番外編ということで、シャーロックホームズが誕生した作品、コナン・ドイルのデビュー作『緋色の研究』。純文学漬けの日々だった訳だけど、久しぶりに脇道によってみたよ。 1.読後感すっきりとした。事件→推理→解決というミス…

純文学1000本ノック 23/1000 夏目漱石『吾輩は猫である』 猫を語り手とした痛烈な社会批判と漱石の未来予想図

どうも、こんにちは。 今回は夏目漱石のデビュー作にして、未だ衰えることを知らない明治の大人気小説『吾輩は猫である』。漱石がこれを書いたのが40歳の頃で、それから50歳で亡くなるまでの10年でこれだけ多くの名作を遺したって言うんだから驚きだね…

純文学1000本ノック 22/1000 J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』 世界中の若者を熱狂させた物語

どうも、こんにちは。 今回は累計部数6000万部を記録し、伝説的な人気を誇る『ライ麦畑でつかまえて』を紹介するよ。画像は村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』。どちらも同じ作品だけど、タイトル訳としては『ライ麦畑でつかまえて』が日本語…

純文学1000本ノック 21/1000 森鴎外『舞姫』 鴎外の青春と苦悩、そして罪の意識

どうも、こんにちは。 今回は明治を代表する文豪 森鴎外の『舞姫』。ちなみに僕は井上靖氏の現代語訳版を読んだよ。現代では鴎外のクズっぷりを評されることも多いけど、一方で人間の相反する感情が描かれた優秀な作品だよね。 1.読後感元々、現実の結末を…

純文学1000本ノック 20/1000 三島由紀夫『金閣寺』 美への認識と破壊

どうも、こんにちは。 今回は三島由紀夫作品の中でも名高い『金閣寺』。なかなか読み進まなくて珍しく読むまでに2日かかってしまったよ・・・。 下が英語版だけど、英語版の方がかっこいいね・・・。 1.読後感とにかく体力を使った・・・。もちろん本自体…

純文学1000本ノック 19/1000 遠藤周作『白い人』 人間の本質とは何か

どうも、こんにちは。 今回は遠藤周作が芥川賞を受賞した『白い人』。これは衝撃的な作品だったね。前回『深い河』で感激し今回も遠藤周作。いやあ、読んでよかった。 1.読後感直前までの燃え上がるような展開の中、身体中の血が震え立つほどの衝撃を受け…

純文学1000本ノック 18/1000 吉本ばなな『キッチン』 台所からの哀しみと愛

どうも、こんにちは。 今回は吉本ばななのデビュー作『キッチン』、前回読んだ『TUGUMI』以来の吉本ばなな作品でした。やっぱり彼女の書く作品はとても優しく温かみの溢れるものだった。 1.読後感 吉本ばななの持つ美しい描写と特に温かみのある今作はその…

純文学1000本ノック 17/1000 又吉直樹『火花』 漫才という芸術に人生をかけた青春

どうも、こんにちは。 最近は今日みたいにもったり暖かい日があるかと思えば、急に寒くなったりするね~。コロナもあるし、引き続き体調管理に気をつけようね。 さて、今回は一昨年の芥川賞を獲得し、大きな話題となった又吉直樹『火花』。話題性だけじゃな…

純文学1000本ノック 16/1000 遠藤周作『深い河』 巡礼者たちが見たガンジス河

どうも、こんにちは。 トイレットペーパーが普通に家に無くなったので買いに行ったら買い占められてたよ。困っちゃうね。 今回は遠藤周作『深い河』。心にあらゆる傷を持った巡礼者たちがインドへ行き、ガンジス河へ出会う。その川は生も死も、喜びも哀しみ…