純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

純文学1000本ノック 74/1000 沼田真佑『影裏』

どうも、こんにちは。 今回は沼田真佑の『影裏』です。作者は本作で文学界新人賞を受賞しデビューしています。その後、本作で芥川賞を受賞しています。 1.ざっくりあらすじ 本社から岩手県にある子会社へ異動となった今野は、地元の社員たちと深くなじむこ…

純文学1000本ノック 73/1000 金子薫『アルタッドに捧ぐ』

どうも、こんにちは。 今回は金子薫の『アルタッドに捧ぐ』です。作者は本作で文藝賞を受賞しデビューしています。 1.ざっくりあらすじ 大学院試験に落ちた主人公の本間は、死んだ祖父の家に住みながら小説を書いていた。その途中で、小説の主人公であるモ…

純文学1000本ノック 72/1000 中上健次『枯木灘』

どうも、こんにちは。 今回は中上健次の『枯木灘』です。 1.ざっくりあらすじ 種違いの四人兄妹の末っ子で幼かった秋幸は母フサに連れられ、地元で建設業を営んでいる竹原繁蔵の家に引き取られた。秋幸は二十六歳になり父龍造そっくりの巨体に成長し繁蔵の…

純文学1000本ノック 71/1000 大江健三郎『見るまえに跳べ』

どうも、こんにちは。 今回は大江健三郎の『見るまえに跳べ』です。日本人二人目のノーベル文学賞作家である作者の初期短編集です。 1.ざっくりあらすじ 大学生の主人公は、身体の内側にも外側にもにがい静寂を持ち、政治にも生活にも無関心で生活している…

純文学1000本ノック 70/1000 町屋良平『青が破れる』

どうも、こんにちは。 今回は町屋良平の『青が破れる』です。2016年文藝賞を受賞した本作。作者はその後、『1R1分34秒』で芥川賞を受賞しています。 1.ざっくりあらすじ フリーターをしながらプロボクサーを目指す秋吉。友人のハルオから誘われ、その恋人…

純文学1000本ノック 69/1000 畠山丑雄『地の底の記憶』

どうも、こんにちは。 今回は畠山丑雄『地の底の記憶』です。2015年文藝賞を受賞した本作。 1.ざっくりあらすじ 平坦な特徴の少ない宇津茂平(うづもひら)という土地に潜む記憶をたどっていくというような物語。なにも娯楽のない宇津茂平には田舎に見られ…

純文学1000本ノック 68/1000 若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』

どうも、こんにちは。 今回は若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』です。2017年文藝賞を受賞し、その後芥川賞も受賞している本作。 1.ざっくりあらすじ 若いころ、故郷から第一回東京オリンピックのファンファーレとともに東京へ一人で出てきた桃子さん。…