純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

純文学1000本ノック 90/1000 吉行淳之介『夕暮れまで』

どうも、こんにちは。 今回は吉行淳之介の後期代表作『夕暮れまで』。設定は中年男性と二十代前半の女性のカップルということもあり、社会現象を起こした作品です。 1.ざっくりあらすじ 主人公の佐々は四十過ぎで既婚者だが、二十三歳の杉子と愛人のような…

純文学1000本ノック 89/1000 多和田葉子『かかとを失くして』

どうも、こんにちは。 今回はドイツ在住作家の多和田葉子のデビュー作『かかとを失くして』です。 1.ざっくりあらすじ 書類結婚によって海外に一人で来た主人公は、部屋にこもり姿を見せようとしない夫と生活を始める。主人公は町の生活事情を知るために学…

純文学1000本ノック 88/1000 石川淳『焼跡のイエス』

どうも、こんにちは。 今回は無頼派の一人と言われた石川淳の短編『焼跡のイエス』です。 1.ざっくりあらすじ 規制前最終日に上野の闇市を通った主人公は、屋台にいる女の肉づきのいい足に見惚れている。隣のイワシ屋に一人の身なりの汚い少年があらわれ、…

純文学1000本ノック 87/1000 吉行淳之介『砂の上の植物群』

どうも、こんにちは。 今回は吉行淳之介の代表作の一つ『砂の上の植物群』です。デビューから十年ほど経ったあとの作品です。 1.ざっくりあらすじ 伊木一郎という化粧品のセールスマンをする男が主人公。彼は三十四歳で死んだ父の呪縛に捉われている気がし…

純文学1000本ノック 86/1000 吉行淳之介『原色の街』

どうも、こんにちは。 今回は吉行淳之介の『原色の街』です。作者の創作初期に当たる作品です。 1.ざっくりあらすじ 三人称複数形で、主な主人公は娼婦のあけみ、汽船会社勤めのサラリーマン元木英夫という形。狭い路地にネオンのかがやく娼婦の街で三か月…

純文学1000本ノック 85/1000 吉行淳之介『驟雨』

どうも、こんにちは。 今回は吉行淳之介の『驟雨』です。1954年に芥川賞を受賞した短編小説です。 1.ざっくりあらすじ サラリーマンをしながら、しばらく結婚の意志はなく娼婦通いをする山村英夫という主人公が、道子という娼婦に惹きつけられ複雑な感情を…