純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

吉本ばなな『アムリタ』 幻想的な日常の物語 純文学1000本ノック 29/1000

どうも、こんにちは 今回は、吉本ばななの人気作『アムリタ』を読んだよ。幻想的で悲劇も喜劇もまぜこぜな不思議な物語だけど、どこか愛おしい雰囲気を持った作品だった。 1.読後感子どもの頃の夏、が持ってるような、甘くて楽しい日々からの、終わりが近…

村上春樹『海辺のカフカ』 生死の境を越えた謎深き世界と、自らの運命に翻弄される少年の物語 純文学1000本ノック28/1000

どうも、こんにちは。 今回は、日本の代表的な作家である村上春樹の謎多き名作『海辺のカフカ』を読んだよ。15歳の僕(田村カフカ)の成長物語であり、生死や人間を超越した存在が登場する謎多き物語だった。読者の考えに委ねるということで、公式な見解は村…

サン・テグジュペリ『夜間飛行』 一人の幸福より崇高な職人の有り様 純文学1000本ノック27/1000

どうも、こんにちは。 今回は、『星の王子さま』で今なお有名なサン・テグジュペリのもう一つの代表作『夜間飛行』。僕も、サン・テグジュペリは『星の王子さま』しか読んでいなかったので、この作風の落差にはたまげたよ。 1.読後感最初は堅苦しいと思っ…

ガルシア・マルケス『百年の孤独』 マコンドとブエンディーア一族の歴史から見るラテンアメリカ 純文学1000本ノック26/1000

どうも、こんにちは。 今回は、現実的なものと幻想的なものとを融合させて、一つの大陸の生と葛藤の実相を反映する豊かな想像力の世界を構築したとしてノーベル文学賞も受賞したガルシア・マルケス。彼の代表作の1つである『百年の孤独』。今もなお、ラテン…

坂口安吾『堕落論』 人間の実相と日本人の堕落の必然性 純文学1000本ノック 25/1000(番外編)

どうも、こんにちは。 コロナウィルスが世界を賑わせているので、お家で自粛しつつ、本を楽しんでるよ。 今回は番外編ということで、坂口安吾の有名な『堕落論』について。これは非常に当時センセーショナルで今なお有名な評論だ。 1.読後感 従来の価値観…