純文学1000本ノック

ただひたすらに純文学の読書感想を並べていきます。

ガルシア・マルケス『百年の孤独』 マコンドとブエンディーア一族の歴史から見るラテンアメリカ 純文学1000本ノック26/1000

どうも、こんにちは。

今回は、現実的なものと幻想的なものとを融合させて、一つの大陸の生と葛藤の実相を反映する豊かな想像力の世界を構築したとしてノーベル文学賞も受賞したガルシア・マルケス。彼の代表作の1つである『百年の孤独』。今もなお、ラテンアメリカ、特に彼の出生地であるコロンビアにおいては伝説的な物語だ。ちなみに僕は読み終えるのに3日間かかった(もちろんずっと読んでいた訳ではないが)。

 

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez) | ガルシア=マルケス ...

 

 1.読後感
最初はファンタジーを思わせる不思議な世界観(魔法のランプや空飛ぶ絨毯が出てくる)にファンタジーを読むように読み始めたが、物語が進むにつれてその幻想が現実とまじりあい、奇妙な浮遊感を身体にもたらした。笑える部分も哀しい部分も多分に含んだ作品だが、結末に近づくにつれ、この果てしない100年の物語の終わりを感じ、ものかなしさを感じずにはいられなかった。

2.ザックリあらすじ

この物語は、あらすじを立てること自体がナンセンスで難しい。というのも、100年間のマコンドという街とブエンディーア一族の物語を主軸に描かれているので、あらすじ化すると、意味が分からなくなったり、かといって分かるものを作ろうとすると超長文化する必要がある。したがって、今回は断念する。読者諸君自身でこの壮大な物語を感じてもらえればと思う。

 

3.魅力

世界の規模やレベルは違うが、ゲーム・オブ・スローンを見ているような壮大さを感じる。ただ、『百年の孤独』には、ラテンアメリカ全体が持つ負の歴史や、ブエンディーア一族の孤独の遺伝などが、現実的に、時に幻想的に描かれ、そこに単純な規模ではなく、物語としての、雄大な時と世界観の壮大さを感じずにはいられない。繰り返される若者たちの孤独な愛情や、悲しいその結末などはこの時間という軸により、より効果的に運命のように美しく描き出されているのである。

 

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