宮下奈都 『羊と鋼の森』 あらすじ&感想 純文学1000本ノック 33/1000
どうも、こんにちは
今回は、宮下奈都『羊と鋼の森』。
1.読後感
北海道の田舎町が舞台の小説だが、不思議とほっこりする。
2.ザックリあらすじ
(1)ピアノとの出会い
何事にも大きな関心を持たない高校生の外村は、学校に来た調律師の板鳥の仕事を見て、初めてピアノの存在を感じる。それと同時に、自らも調律師になりたいと意志を持つ。
(2)就職
東京の専門学校に通った外村は、憧れの板鳥のいる地元の町の楽器店に就職する。そこで、柳という気のいい先輩調律師の見習いとして仕事に同行するようになる。
(3)仕事を通じて
一年目は早く力をつけようと焦り、多くの努力をするが、実力がついているのか不安になる日々を送る。ある日、柳の付き添いで佐倉家の調律に同行した際、ふたごの姉妹、和音と由仁に出会う。彼女たちは瓜二つなのに、それぞれ違ったピアノを演奏する。外村は姉の和音の繊細な音を気に入るが、柳は妹の楽し気な音を気に入っている。
(4)成長
外村は2年目になり、いくつかのお客さんを担当することで、失敗をしながらも成長していく。職場で嫌味を言ってくる秋野にも同行し、そこから学びを得る。
(5)事件
佐倉家のふたごの妹由仁が、イップス?でピアノを弾けなくなってしまう。外村は和音のピアノが生きることを喜びつつも悲しむ。やがて、和音はピアニストを目指し決心をし、妹由仁のいいところを吸収したようなピアノを弾く。外村は柳の結婚式の披露宴パーティーで和音が弾くピアノの調律をさせてもらう。そこで、彼は憧れの板鳥からも腕を認めてもらう。
3.魅力
この作品は、調律師という一つの仕事を通しての成長物語である。しかし、全ての物事の上達に共通の普遍性を兼ね備えた意志や努力の本質が作中で物語られており、非常に学び取るものが多いのではないだろうか。また一方では、主人公外村が過ごした田舎の村を美しい描写と共に描き出している。単なる実用にも、文学にも捉われない形の素晴らしい作品である。
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